広島県福山市のシティプロモーション動画、1日で街を撮り切った話
SONY CREATORS CAMPの課題制作で、広島県福山市を題材にしたシティプロモーション動画を1日で撮り切ったときの話。企画の狙いと、19カットそれぞれの構図の工夫をまとめます。

結論(サマリー)
- SONYが主催するクリエイター向けの課題制作企画「SONY CREATORS CAMP」(3日間で企画・撮影・編集を仕上げる形式)に応募し、題材の広島県福山市を1日で撮り切りました
- 使われ方(駅のデジタルサイネージ)を先に決め、「音がなくても伝わる」「どこから見ても内容がわかる」ことを企画の軸にしました
- 当日の動き方に特別な工夫はなく、正直かなりバタバタしていました。それでも仕上がったのは、1日目の企画とカット割りをやり切っていたからだと思います
なぜ福山市が題材だったか
これは自分で応募した「SONY CREATORS’ CAMP」というクリエイター向けの課題制作企画で、題材として与えられたのが広島県福山市でした。2026年1月30日から2月1日までの3日間、1日目に企画、2日目に撮影(の終わりに編集も少し着手)、3日目に編集を仕上げて発表、という進行です。このキャンプは全国各地を巡回している企画の第7回にあたり、当日の様子は映像専門メディア「VIDEO SALON」の取材レポートでも紹介されています。
1日目、まず「福山市がどういう場所か」を調べるところから始めました。福山市は広島県の中でも観光地としてはあまり有名ではなく、どちらかというとベッドタウンに近い立ち位置です。広島市や、隣の岡山県・倉敷市といった有名な観光地の宿が取れなかった人が、代わりに泊まる場所という側面もあると聞きました。一方で、宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』の舞台になったと言われる鞆の浦もあり、知られていない魅力がある街だという話になりました。企画の軸は自然と、「こんな場所があるんだよ、というのをもっと知ってもらう」というプロモーションに定まりました。
使われ方から逆算して決めたこと
企画段階でもう一つ大きかったのが、「駅のデジタルサイネージに展示することを想定している」という条件でした。ここから、2つの方針が決まりました。
- 音がなくても内容が伝わる構成にする(サイネージには音がないため)
- どこから見ても内容がわかり、最後まで飽きさせない構成にする(通りすがりの人が、途中からでも一目で状況をつかめる必要がある)
そして映像そのものが綺麗であることは、大前提として最初から外せない条件だと考えていました。
誰に見てほしいかを一人の人物に絞った
福山には出張で訪れるサラリーマンが多く、宿泊するという話も聞いていました。そこで、出張でたまたま福山駅を訪れたサラリーマンが「福山ってこんな場所があるんや」と気づいていく、という一人称的なストーリーに絞りました。最後は「また来よう、家族で。」という一言で締めています。出張という一人の体験から、家族で訪れたいと思わせるところまで気持ちが動く、という設計です。

19カットの構図に込めた狙い
撮影・編集を通して、カットごとに「この画で何を伝えるか」を決めて構図を組みました。一部を紹介します。
| シーン | 構図・技法 | 狙い |
|---|---|---|
| 冒頭(福山駅) | 日の丸構図+ローアングルの煽り | 駅名を背景に入れて場所を説明しつつ、下から撮ることで余分な情報を減らし、空の抜け感を出す |
| 福山城 | 三角構図+額縁構図(左右に枝と木を配置) | 場所の説明と、城の美しさ・安定感の演出 |
| 遊園地の乗り物 | 中央付近だけスローシャッターに切り替え | 「時間を忘れて没入している」ことを、速度の変化で表現 |
| 恐竜エリア | 3分割+中央にリーディングライン | 恐竜のリアルさを、キャラクターを活かしてコミカルに演出 |
| 海辺 | 奥行消失点構図+人物を小さく配置 | 世界の広さ・開放感をダイナミックに表現 |
| ラスト(福山駅) | 冒頭と対になるローアングルの煽り+広角の環境ショット | 「行き先に迷っていた」冒頭と対比させ、「また来よう」という結末を象徴させる |
冒頭の「人は時々、行き先が分からなくなる。」というテロップと、ラストの「また来よう、家族で。」というテロップが対になるように、構図も冒頭とラストで意識的に呼応させています。

正直、当日はかなりバタバタしていた
1日目に撮影場所と順番を決めていたので、2日目はその通りに回るだけ、のはずでした。ただ実際は、移動も含めて時間に余裕はなく、かなりバタバタしながら1日で回り切ったというのが正直なところです。回り方そのものに特別な工夫があったわけではありません。
それでも形になったのは、1日目の企画とカット割りをその場の思いつきではなく、事前にきちんと決め切っていたからだと感じています。撮影当日にアドリブで構成を考える余地はほとんどなく、企画の精度がそのまま仕上がりに直結した案件でした。

取材の密着対象にもなっていた
自分が所属していたのは3名編成のチームで、全員が普段から映像制作に携わるメンバーでした。このチームは、当日会場に来ていたVIDEO SALONの取材で密着対象にもなっていました。取材レポートによると、着想のきっかけは初日に市の担当者から聞いた「出張のサラリーマンや、倉敷・尾道で宿泊できなかった方の受け皿として使われている」という一言だったとまとめられています。主人公役には、広島を拠点に活動するカメラ歴15年のベテランカメラマンを、あえて単独の主役としてキャスティングしました。
最終日の発表会では、市の担当者から「自治体のPR映像でコミカルなものはなかなか作りにくい中、やりきりながら欲しい観光情報もしっかり入っていた」と評価をいただいた一方、講師陣からは「あと2〜3カ所ロケ地を回れたらさらに良かった」という率直な指摘もありました。優勝は別のチームでしたが、狙った切り口で観光情報を伝えられたことは、素直な手応えとして残っています。
この動画は実績ページでも公開しています。
まとめ・次のアクション
- 使われ方(今回は駅のデジタルサイネージ)から逆算して、音や視聴タイミングに左右されない構成を先に決めることが、短期間での撮影を成立させる鍵でした
- 1日で撮り切るスケジュールでも、企画とカット割りを先に固め切っていれば対応できます
- 大阪府外・遠方のシティプロモーション動画も対応しています。大阪府内は出張費無料、府外は実費です。こちらから無料相談をどうぞ
FAQ
この記事のよくある質問
Q遠方(大阪府外)のシティプロモーション動画にも対応していますか?
対応しています。大阪府内は出張費無料ですが、府外は交通費・宿泊費の実費のみいただいて全国対応しています。
Q1日での撮影は、どんな案件でも可能ですか?
内容によります。今回のように「先に企画とカット割りを決め切ってから撮影に入る」ことが前提です。当日に構成を考えながら撮る形だと、1日で回り切るのは難しいと感じています。
